当機構設立のご挨拶
自治体行政支援機構 理事長 当機構設立のご挨拶
この度、全国の自治体とその所属職員の皆様を対象として、自治体の行政活動を側面から支援することを目的とした「自治体行政支援機構」を設立いたしました。
自治体行政は、「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」(地方分権一括法)に基づき地方自治法が大改正され、これまでの機関委任事務時代の上下関係から役割分担を明確化した、対等協力関係へと国と自治体との関係は大きく変わり、法令解釈運用原則(自治法第2条12項)を始めとする「分権基本原則」が自治法に盛り込まれました。
これは、従前の機関委任事務制度時代にとられていた①通達主義、②行政実例主義、③準則条例主義という「呪縛の三原則」、「しばりの三位一体」とも言うべき仕組みからの解放でもありました。このことから、条例制定権の拡大、議会の議決権・調査権の拡大へとつながり、分権改革の進展が図られました。そして、その後の「地域主権改革」関連三法の成立(平成23年4月成立)、さらに「義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大」に係る第2次一括法及び第3次一括法(地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律)の制定をとおして、今日、自治体行政は、行政事務を執行するにつき、自主性・自立性が高まった反面、これまで以上に法令解釈能力の向上を図り、また、地方税の課税と自治体債権の滞納整理の分野に力を入れて自治体の財政収入の確保への真剣な取り組みが必要不可欠であることは今さら言うまでもありません。
しかし、現実に自治体がいま置かれている状況はどうでしょうか。次の様な問題が指摘されるかと思います。
第1 機関委任事務制度時代は、自治省(現総務省)の担当課又は担当者に伺いを立てて指導・助言を仰ぎ、自治事務の中身までもそのついでに聞きなから日常的に事務処理をしてきたきらいがありますが、機関委任事務の廃止後はそのような関係は失われたものであること。
第2 自治体は、従前において組織の若干の余裕のなかで、新人の教育・養成をして来たところでありますが、今の組織には「弓の張り」にその余裕すらない状態であり、定数削減の折からこの状況はさらに厳しいものとなっていること。
第3 自治体においては、財政逼迫の折から、従前のように、職員の能力向上の為の研修費用を十分に手当できない状況に置かれていることも事実であること。
そこで、このような自治体の活動状況に対し、少しでもその支援をいたしたいものと、2013年(平成25年)4月12日に「自治体行政支援機構」を設立した次第であります。
今後、この機構が全国の優秀な自治体OBをも結集して大きく発展して、皆様に役立ちかつ、喜ばれる組織になれるようにお力添えをいただければ幸いに思います。
平成25年4月12日
自治体行政支援機構 理事長